私も所属している建築家による自主運営グループ「建築家さがしの杜」がコロナ禍でなかなかイベントができないので、イベントに代わる企画として、それぞれが動画を作成して公開しよう!ということになり、私もなんとか頑張って作成してみました。
初めてのチャレンジで四苦八苦でしたが、何とか形になったかな、、と思います。
テーマは「建築・インテリア関連」ということだったので、竣工後8年目に突入したSa HAUSの今の様子を撮影。
写真ほど広角には撮れないのですが、動画ならではといった、写真ではなかなか伝わりにくいところを紹介できるように工夫したつもりです。
ぜひ、一度見てみてください↓↓
月: 2021年2月
リモート会議で気になる”背景”
コロナがまだまだ収束せず、テレワークを行なっている方も多いと思いますが、自宅でのリモート会議の時に気になるのが、背景として画面に映ってしまう部屋の様子。
会社で見せている顔とは別のプライベートが垣間見えたりもします。
昨年にリノベーションした Tu HAUS ではテレワークにも使える書斎を計画しましたが、2帖弱とコンパクトだったこともあり、部屋として独立させずに個室の一角にコーナーとして配置しました。
写真中央奥が書斎コーナーです。
リモート会議を行う時に手前の和室が綺麗に片付いているとは限りませんし、手前の部屋でお子さんが勉強しているかもしれません。
そんな様々なシチュエーションを想定して、パソコンの画面に映っても良い、むしろ積極的に見せる”背景”となる障子パーティションを計画しました。
パーティションが開口より少し小さく、両サイドに隙間があるのは和室に設置したエアコンが書斎にも効くようにするためです。
程良く和室を隠しつつ、快適に仕事ができるように計画しました。
パーティションは引き戸になっているので、開き具合を自由に調整できます。
今回は和室との仕切りだったので障子で作りましたが、木を張ったり華やかな壁紙を貼ったパネルなど、部屋の雰囲気に合わせてデザインすると楽しそうです。
ポーチの袖壁は優れもの
ポーチは玄関の外側にある屋根のついたスペースですが、屋根に加えて壁にも囲まれた空間とすることでより機能的なスペースになります。
ポーチが無い場合、雨の日には玄関から出ながら傘を開く必要がありますが、屋根があれば、外に出てから傘を開くことができます。
さらに壁で囲まれていると、風が強い日でも雨が吹き込む可能性が減るので、ゆっくりと傘をさして出発することが可能となります。
このポーチを囲む壁ですが、実はもう一つ重要な役割を担ってくれる場合があります。
写真は Fk studio – Studio LUP- のエントランスポーチですが、写真右側のサインの付いた袖壁を付けることで、エントランスのガラスに網入りではない一般的なものを使用することが可能となっています。
やや専門的な内容になりますが、Fk Studio は準防火地域に敷地があり、このガラス部分が敷地境界から3m以内の延焼のおそれのある範囲に入ってしまうため、本来であれば隣地の出火などから建物や中に居る人を守るために、ガラスは網入りタイプか、高価な網なし耐熱強化ガラスを設置する必要がありますが、防火仕様の袖壁でガラス面に火が到達しないように遮ってやることができれば、一般的なクリアガラスを採用することが可能となります。
雨も火も防げて、サインも印象的に付けられて、、とっても優れものです。
写真は Sa HAUS の外観です。
左下に玄関ポーチがあり、さらに左に屋根まで続く袖壁がありますが、これのおかげで、同じく準防火地域の延焼のおそれのある範囲にあるにも関わらず、玄関の扉を一般的な木材でつくることができました。
Sa HAUS の外観を特徴付けるデザインの一部にもなっています。
3Fにシャワーは付けられる?
新たなプロジェクトがスタートしました。
既存建物の改修なのですが、3Fに新たにシャワールームを計画できるかがプランに大きく影響する、、、その一方で水道管から送り出される水圧は地域によって異なるため、敷地のある大阪市の水道センターにヒアリングさせて頂きました。
結果は高さ8mまでは水道管の圧力で原則OKとのこと。
正確には末端の水圧を計算しないといけませんが、おそらく大丈夫そうで一安心。
万が一、水圧が足りない場合に増圧ポンプを設置することも問題ないと回答いただき、その場合は口径アップ(水道管の引き込み管を太いものに変えることです)した方がリーズナブルかもしれませんよとアドバイスまで頂きました。
コロナで緊急事態宣言が出ていることもあり、電話での問い合わせであったにも関わらず、とても親切丁寧に教えて頂き、ありがとうございました!
これで、3Fのシャワーを前提にお施主さんの希望に合わせて計画を進められそうです。
良い計画になるように頑張ります!
ちなみに、どのくらいの太さの水道管が敷地に引き込まれているかは、水道局に行けば教えてもらえます。
敷地にある水道メーターを見れば、13mmや20mmと書いていますが、敷地には25mmで引き込まれていて、メーター部分で細く絞られている場合もあるため、記載されている数字が計画に必要なものより小さい場合は、一度水道局で確認してみてください。
写真の場合はメーター部分で20mmになっていることが分かります。
こちらは元々13mmのメーターが付いていたのですが、本管から敷地への引込み管は20mmだったので、建て替える際にメーターも20mmに交換しました。