投稿者: n.aoki

省略できる?建具枠

ここ数年、工事見積書のチェックをする際に「ん?」と引っかかるようになったのが、建具枠。
壁に空けた開口を縁取る枠の内、扉が付く部分のものを「建具枠」と言い、開き扉の丁番を取り付ける下地にしたり、引き戸の扉がぶつかる緩衝材として機能したりします。
ちなみに、窓や固定のガラス等が付く場合は「額縁」と言います。

下の写真の左手前の小鳥のステンドグラスが嵌っている部分は「額縁」、右手前の何も付かない開口部は「枠」、右奥の扉が付いている部分を「建具枠」と使い分けています。

 

ちょっと逸れましたが、何が「ん?」かと言うと、昔に比べて値段がどんどん高くなってきており、塗装代なども加えていくと建具扉本体よりも高くなってしまうなんてことも、、
枠をしっかりと付けるときは無垢の木を指定することが多いのですが、今問題になっているウッドショックより前からこの状態なので、木自体の価格アップに加えて、加工の手間代などもどんどん高くなってきているのだと思います。

価格の問題に加えて、枠が無い方がスッキリと見えることもあり、デザインによっては枠を付けなかったり、最小限のアルミなどの金属枠の納まりにすることが増えました。

ただ、壁をクロスではなく左官などで仕上げるときは振動による割れや欠けを防止して、美しい状態を長く保つためにどうしてもしっかりと枠を入れたくなります。
他にもデザインとして枠があった方がいい場所や、多くの人が通ったり荷物を持って通過する場所などは物をぶつけて傷が付きやすいので、やはりできるだけしっかりと枠を入れるようにしています。

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タイルと照明のショールーム

ショールーム巡りが続きます。
コロナ禍とあって、事前予約が必要なところが多くて気軽には行きづらいですが、カタログや送付してくれるカットサンプルとは違い、実物サイズを実際に見て確認できるので必ず行きます。

今回も色々なショールームをハシゴしました。

タイルと照明のショールーム
 

タイルのショールーム3ヶ所。
商品がどんどん新しいデザインのものに変わっていくので、いつ行っても新鮮で面白いです。

続いて照明器具のショールームへ。
予め電話を入れて、展示があるか確認したところ、展示されていないものは用意してくれていました。ありがたいです。
光の強さや広がり具合を確認します。

タイルと照明のショールーム
 

間接照明用のライトが並べて展示されているコーナーなんかもあります。分かりやすいです。

他にも化粧板や衛生陶器、床材のショールームなどにも、何日かに分けて行きます。
大阪では梅田と本町周辺に多いのですが、それでも移動にそれなりに時間がかかります。
全部1ヶ所に集まっていればいいのに、、といつも、特に日射しのきつい夏には思ってしまいます。。

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オフィス家具のショールーム

オフィスの改修を計画中のお施主さまと事務機器メーカーのショールームに行ってきました。
どのメーカーもショールームとは別に実際に社員の方が働いているオフィスエリアも見せて頂けます。

数年前からオフィスの在り方が多様化し、個人の席を決めないフリーアドレスやそれに伴うペーパレス化などが広く浸透したことで、デスクや椅子をはじめとした事務機器は形やサイズ、機能面でもバリエーションがとても増えました。
仕上げの色やテクスチャーもかつては無機質な印象のものが大半でしたが、最近は住宅やカフェの家具に近い印象の木目やポップなカラーなどの選択肢が増えています。
業種にもよるとは思いますが、よりリラックスして快適に仕事が出来そうです。

オフィス家具のショールーム
 

作業もミーティングもできる大きなデスクが色々あります。
高さ設定も様々で、組み合わせて配置し、自由に席を変えられるフリーアドレスを導入することで、1日中ずっと同じ姿勢でいることがなくなります。

上の写真は少し高さの違う2つのテーブルを並べて配置してありますが、こうすることで同じ高さのテーブルを並べるよりも視線が通りやすく、両端に座る人同士も会話がしやすくなるそうです。

椅子とミニデスク、パーティションが一体となった置き型ブースも大小様々ありました。
座ってみましたが、オープンなオフィス空間の中にあっても、しっかりと集中して作業できそうでした。

昔ながらのしっかりとしたワークチェアも素材や形状が進化し、より疲れにくくなっています。
背もたれのしなり具合や腰回りのサポート具合など、一番大切な座り心地は見た目だけでは分かりませんので、椅子は色々と座ってみて決めるべきですが、この日は他にも見るべきものが多かったので、椅子の選定は後日に持ち越しとなりました。

フリーアドレスを導入することで必要になるのがロッカー。
従来は自席の周りに書類などを置いていましたが、席を共有するフリーアドレスではデスク周りに荷物を置いておくことができません。
そこで、個人用のロッカーを整備して、そこに個人の私物や書類などを保管する形式が主流です。
ゴミ箱なども組み込めるタイプのものもあり、オフィス空間がよりスッキリ機能的になると思います。

色々と勉強になった1日でした。

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1つ1つ違う個体差も自然素材の魅力

先日、石の確認に関ヶ原まで行ってきました。
工場に併設されたショールームには、馴染みのあるものから初めて見るような珍しいものまで、世界各国で採掘される様々な石材が展示されています。

1つ1つ違う個体差も自然素材の魅力
  

一括りに石と言っても模様や色はもちろん、硬さも様々。
柔らかいものは傷がついたり欠けたりすることもあるため、見た目だけでは無く、使う場所や用途に合わせて選定する必要があります。

今回は2回目の訪問。
前回の訪問時に石種は決めていたのですが、今回は実際に使う石の模様や色味の確認を行いました。
同じ種類の石でも、採る場所によってその表情は変わります。
他には全く同じものが無いというのも工業製品とは違う自然素材ならではの面白さですね。

上の写真の左右の石は同じ種類ですが、模様も色もかなり違います。
左の方が色が濃く重厚感があり、右の方が少し茶色がかっていて優しい印象です。
こんなに違うとは、、、並べて比べてみて驚きました。

1つ1つ違う個体差も自然素材の魅力

工場には切断・加工される前の巨大なボリュームの石がたくさん並んでいて、迫力満点でした。

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出っ張らせない!スイッチニッチ

前回に続いて、壁をへこませて生み出す”ニッチ”スペースの計画例のご紹介です。
今回は何かを飾るためのニッチではなく、スイッチをすっきり納めるためのニッチです。

出っ張らせない!スイッチニッチ
   

写真は Si HAUS のキッチンからリビングスペース方向を見た写真ですが、左の壁にスイッチニッチを計画しました。

シンクとスイッチのある壁の間はキッチンへ入る動線になっていることもあり、通路に出っ張っらないようにインターフォン、給湯器、照明スイッチをニッチ内にまとめてレイアウトしました。

スイッチニッチは整頓されている印象はありますが、正面から見ると普通にスイッチを壁につけるよりも存在感が際立ってしまうというデメリットもあります。
その点、Si HAUS の場合はニッチに入れることで、リビングスペースから本来見えるはずのスイッチの側面が見えにくくなり、スッキリとした印象になる効果もありました。

最後に、前回に続いてご紹介したニッチですが、計画するときはその設置場所に注意が必要です。
構造の筋かいがある場所や、断熱材を充填する外壁、遮音のための吸音材を充填する壁には設置できなかったり、希望するサイズでは計画できないことがありますので、計画に取り入れたい場合は、お早めに検討を!


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壁の厚みを利用した”ニッチ”飾り棚

部屋の中に写真やお気に入りの小物を飾れる場所があると、より心地良い自分らしい空間にカスタマイズすることができます。
今回は壁をへこませて生み出すスペース”ニッチ”の計画例のご紹介です。

広さにゆとりのある部屋であれば、しっかりとした飾り棚を計画するのも良いのですが、そうではない場合はスペースをいじめる事なく、壁の厚みを利用して設けられる薄いニッチ状の飾り棚はいかがでしょうか。
写真や絵、小物など厚みの小さい物であれば、壁厚のニッチで十分。
一般的に、飾り棚に比べてコストを抑えてスッキリと仕上げられるメリットもあります。

壁の厚みを利用した"ニッチ"飾り棚
  

上の写真は Fk studio – Studio LUP – のクッキングスタジオ。
出っ張る飾り棚だと邪魔になるため、写真右の壁にニッチ状の飾り棚を計画しました。
オーナーが世界各国を旅して集めたお気に入りの小物が飾られ、スタジオ独自の雰囲気を生み出すスペースの一つとなっています。

下の写真も同じく、Fk studio – Studio LUP – の、こちらはエントランスです。
エントランスの正面、写真左の壁にスタジオスケジュールなどを置いたり、スタジオで使うヨガグッズやおすすめの書籍の紹介コーナーとして計画しました。
床から天井までの大きな棚なので、壁厚を利用して、、という訳にはいきませんが、特に人が行き交う場所ということもあり、こちらも出っ張らないニッチ状にしています。

壁の厚みを利用した"ニッチ"飾り棚
   

壁に埋め込むニッチ飾り棚、様々なサイズで計画可能ですので、取り入れてみてはいかがでしょうか?

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どんどん使おう!トイレの手洗い

前回に続いて、、なんと(?)今回もトイレのお話しです。
リビングなどに比べてマイナーで蔑ろにされがちですが、必ずどの家にも1つはあるトイレ。
ちょっとしたカスタマイズでより使いやすくアレンジできます。

最近、主流になりつつあるタンクレストイレはお手入れしやすくシンプルな形状が人気ですが、そのシンプルさゆえに、かつてはタンク部分に付いていた手洗いがありません。
そこで、手洗い器が別に必要になるのですが、観葉植物が多い Sa HAUS では水やりの給水に廊下側からも利用できるよう、手洗い器部分に小窓を設けました。

どんどん使おう!トイレの手洗い
 

小窓は軸回転で開くタイプです。
もちろんトイレに入って給水しても良いのですが、廊下側からであればスリッパを履き替えることなく使うことが可能です。

どんどん使おう!トイレの手洗い
 

閉めた時です。
小窓には圧迫感低減と光取りの役割もあります。

ちなみに、この小窓も写ったSa HAUSの動画は↓から見られますので、良ければご覧ください。

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