投稿者: n.aoki

計画の第一歩、敷地を読む

新たなプロジェクトのお話があり、敷地の確認に行ってきました。
事前に資料の他、Google-mapのストリートビューや航空写真などで情報収集をしてから伺うのですが、敷地条件は実際にその地に立って分かることが大半です。

計画の第一歩、敷地を読む
   

今回は斜面や高低差のある起伏に富んだ変形敷地。
現実的に建物を建てられる範囲や各場所から見える眺め、反対に外からの見え方やアプローチしやすいルートなど、資料だけでは分からない様々な要素と特徴を各ポイント毎に確認してきました。

実際に敷地を確認すると、各機能をレイアウトするゾーニングや景色を眺めるための窓の向きなどの構想が膨らみ、訪れる前にぼんやりと考えていたものに修正が加えられてだんだんと明確になってきます。

今後はこれらのイメージを元に図面に落としていくことで、より具体的な計画として整合性を取りながらまとめていく作業になります。
計画の根底となる最も大切な作業です。


実は寒さは覚悟していましたが、積雪は想定外。
脱線気味のちょこっと話は<こちら>から。

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玄関にある階段下の有効利用

前々回はリビングにある階段の下部空間の活用例を紹介しましたが、今回は階段が玄関にある場合の活用例をご紹介します。

玄関にある階段下の有効利用
 

Sa HAUSの階段下には、靴箱、ベンチ、コート掛けの玄関にあると便利な3要素を配置しました。
その際、これらの足元を浮かせて設置することで、狭小住宅にもかかわらず約2帖分の土間スペースを確保し、土いじりの道具等も通行の邪魔にならないように置けるようにしています。
また、床面をしっかりと見せることは、スペースを広く見せる効果にもつながります。

もう一つの小さな工夫として、階段の1段目の下にも収納スペースを設けました。
丸い穴に指をかけてパネルを開くと、スリッパなどを収納できるようになっています。

玄関にある階段下の有効利用
    

写真はSi HAUSの階段です。
Si HAUSには約7帖もの広い玄関土間がありますが、その一部に周り階段を配置しました。
階段下にはコートなどを掛けるハンガーパイプを取り付けた他、ベビーカーやキックボードなど外で使用するものを置けるスペースとしています。

階段下を玄関に取り込むことで、空間を有効に使いつつ、ゆとりのある玄関スペースを作ることが可能になります。
階段をリビングから独立させたい場合に玄関と組み合わせることを検討してみてはいかがでしょうか?
これからはそのスペースに手洗い器を設けることも選択肢になりそうですね。

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アナログさんにお邪魔しました

無垢のフローリングや、壁・天井の仕上げに使う無垢パネルなどを扱っているアナログさんに伺い、現在計画中の家具に使う突き板について相談させていただきました。

突き板は無垢の木材を薄くスライスしたもので、主に家具や建具に使います。一般的な製造の場合は、1本の木を何層にもスライスし、それをそのまま順番に並べるため、よく似た木目が繰り返されます。

突き板一般
 

上の写真の赤い三角部分のラインが繰り返されているのが分かるでしょうか?
目が揃っているとそこまで気にならないのですが、節などの癖があるとリピートが目障りになってしまうことがあります。

アナログさんの突き板は、このような繰り返しにならないように、手間を惜しまずに敢えてスライスしたものを並べ替えたり向きを変えたりして、自然に見えるように工夫して製造されているそうです。

analog
  

写真がアナログさんのオーク柾目の突板です。綺麗です。

ショールームには様々な樹種の突板が展示されていて木の香りが満ちていました。

アナログさんのオーク突板を使用した Tu HAUS の完成写真は<こちら>

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どうする?階段下の空間

住まいがマンションや平家でない限り、必ず1つは必要になる階段。
住まいの中のどこに配置するかで、動線の長さはもちろん、廊下の面積、場合によっては住宅全体の面積も変わってきます。

最上階がリビングでない場合は特殊なケースを除き、リビングの一角に配置するリビング階段かリビングとは別の空間に配置する独立階段のどちらかを選択することになります。
さらに、後者には玄関から直接アプローチできるタイプと、一旦リビングを通過してからアクセスするタイプがあります。

階段の配置はお施主さんによって好みや考え方が分かれるところでありますし、全体のゾーニング・基本計画に大きな影響を与える要素でもありますので、住宅を設計する際には最初の段階で、お施主さんの意向を確認します。

例えば、リビング階段は階段及び階段に至る経路もリビング空間に取り込めるため、廊下を小さくできたり、リビングを広く感じることができるというメリットがあります。
その反面、階段部分は吹き抜けになり、また、同一空間に取り込んだことで部屋の容積も大きくなるため、冷暖房が効きにくくなるというデメリットがあります。
他には、外から帰ってきて個室に向かう前に必ずリビングを通るようにしたいかどうかも配置を決める上でのポイントになります。

前置きが長くなりましたが、今回の本題は階段の位置が決まった後、その下をどうするかです。
もちろん、階段下の空間には何も計画せずに余白の空間としておくのも、ゆとりがあってとても良いですし、トイレや納戸として全て埋めてしまうことも選択肢の一つです。
様々な選択肢の中で、今回はリビング階段の下部に空間を魅力的にする機能を持たせたケースを2つご紹介します。

どうする?階段下の空間
  

写真は、Ms HAUSで階段下がご主人の書斎になっています。
階段の横に壁面いっぱいの本棚があり、その一角の階段下の高さが最も取れる場所に書斎コーナーを計画しました。
リビングにいる家族と同じ空間で仕事や趣味の作業を行うことができます。

階段下の空間
 

こちらの写真は、Gk HAUSのリビング階段ですが、階段下の半分をオーディオ機器や小物などを置くオープン棚とし、残りの半分(グレーの壁部分)を納戸としました。
納戸は廊下側に扉を設けて、リビング側はすっきりとさせ、グレーの壁が白い空間のアクセントになるようにデザインしています。

使い方や見せ方、収納の計画方法にも様々なバリエーションと可能性がありますので、これから家を計画される方は、階段下の空間にも目を向けてみてはいかがでしょうか?


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Ky HAUS 久しぶりの打合せ

住宅のリノベーションを計画中のKy HAUSのお打ち合わせに行ってきました。

コロナウィルスの影響等もあって、工事予定を延期したこともあり、久しぶりのお打ち合わせでしたので、一先ず近況報告と雑談からスタート。
お施主さんもご家族の皆さまもお元気そうで一先ず安心しつつ、美味しいお茶とお菓子を頂きつつ(いつも有難うございます!)、運動不足やストレスの解消対策など色々とお喋りさせて頂いて楽しい打ち合わせとなりました。

もちろん計画の話もしっかりと!
今回の計画は2世帯で住むためのリノベーションですが、お母さまのお嫁入り道具の「長持」の扉をどこかに使えないか?とのお話を電話でお聞きしていたので、実物を見せて頂きました。

長持の扉
 

長持。
実は初めて聞いたのですが、衣類や布団、座布団などを収納するための、大きな箱状の収納家具のことだそうです。
そう言われてみると、祖父母の家の納屋にあった気がしましたが、私が見たのは確か上面に大きな蓋が付いた物。
お施主さんのは引き違い戸と少し違いましたが、お話を聞くと、どうやらどちらも同じ「長持」のようです。

お母さまがいつでも見られる場所で違和感なく使えそうな場所をお施主さんと一緒にあれやこれやと思案し、ここ!という場所が見つかりましたので、計画に組み込むことになりました。

Ky HAUS 打合せ
 

図面やパースの他、サンプルの確認もして頂きます。

そう言えば、コロナ禍の間に仕事用にiPadを導入したのですが、これが凄く便利!もっと早く導入すれば良かったと後悔しています。
iPad導入については<こちら>のページにちょこっと話で書いてますので、
ご興味のある方は覗いてみてください。

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独立した洗面コーナーが便利

突然ですが、洗面台って家の中のどこにありますか?

スペースの都合もあって、脱衣室の中、洗濯機の横にあるという家が多いと思いますが、使い勝手を考えると、脱衣室から独立した洗面コーナーを設けるのがおすすめです。

脱衣室の中にあると、他の家族が浴室を使っている間は歯を磨いたり、化粧をするために洗面台を使えなかったり、朝の慌ただしい時間に洗濯機を回すお母さんと会社や学校に行くために身支度を整えるお父さんやお子さんが、狭い中でせめぎ合わなければならなかったりします。

また、洗濯機が置いてあり、浴室へと続く脱衣室は、家の中でも特に生活感が出やすいプライベートな空間ですが、お客様が来て、手を洗う際には、そのプライベートな空間に通すことになります。

脱衣室から独立した洗面コーナーを設けることで、これらの問題は解消し、さらに、脱衣室には洗面台の代わりに、着替え等の収納スペースを設けることができてとても便利になります。

写真左は、Ms HAUSです。
トイレと脱衣室に続く廊下の一角、ワークデスクの横に洗面コーナーを配置しました。

写真右のGk HAUSも、Ms HAUS同様にトイレと脱衣室の前に独立した洗面スペースを設けました。
廊下からは扉なしでアプローチできますが、やや死角となるように配置しています。

上の写真は、脱衣室と廊下の間に設けたNi HAUSの洗面コーナーです。
脱衣機能から独立しているため、透明ガラスのデザイン小窓を設けることができ、廊下のアクセントにもなっています。

これから家を計画される方は既成概念にとらわれず、家族にとって使いやすい洗面台の位置についても考えてみてはいかがでしょうか?

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市販の収納ボックスの活用

今年は自宅に居る時間が長く、家の整理や模様替えをされている方も多いと思いますが、かく言う私も時間を見つけては収納の整理と不用品の処分を少しづつ実施しています。
その中で出会った無印良品の”ポリプロピレンファイルボックス”がとっても優秀だったので、今回はその活用例をご紹介します。

写真のように我が家のキッチンのバックカウンター(ダイニングに向いた対面式のキッチン作業台とは別に壁側に設けた収納棚です)の大部分はオープン棚になっています。

市販の収納ボックスの活用
  

引出し形式は収納物を上から覗き込めるので、低い場所の収納方法としてはとても使いやすいのですが、造作家具で作った場合、棚板式の収納に比べてコストが掛かるのと収納量が減ってしまうデメリットがあるため、オープン棚を採用し、収納ボックスに入れて引き出して使うスタイルをずっと取ってきました。
(ちなみに、食器の収納は別に扉付きの収納棚があります。)

当初は、写真奥側の収納棚に入っている無印良品の”重なるラタン長方形バスケット”を全面的に活用していたのですが、幅約26cm、奥行き約36cmと割と大きいため、使っていくうちに収納物によっては大まかな分類となってしまう上に、収納BOXの中で混ざって目的の物が探し辛い点と、底が平らではないので、瓶などが倒れてしまうという点がデメリットとして浮上してきました。

そこで、野菜やパン、お菓子の収納には引き続きバスケットを使用し、調味料やドリンク、乾物、レトルト、ゴミ袋などの収納用として、新たに”ポリプロピレンファイルボックス”を導入したのですが、これが程よい大きさで底も平と我が家のキッチン収納にはもってこいでした。
さらに、どの面も真っ直ぐ垂直なケースなので、並べて置いてもケース同士の間に無駄な隙間ができず、スッキリとたくさん収納できることもオススメなポイントです。

余ったバスケットはと言うと、、洗面所のオープン棚にて、ストックタオル等の収納用として引き続き活用させていただいています。

ちなみの参考に、10cm幅のポリプロピレンファイルボックスの内法寸法は幅9.6cm、奥行き31.6cm、高さ23.8cmでした。

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