カテゴリー: 設計の工夫

トップライトが解決してくれること

天窓とも呼ばれる屋根につける窓「トップライト」。
その光を取り込む能力はとても優秀で、特に隣の家が迫っているような密集地などでその能力が最大限発揮されます。
窓がたくさんあっても、そのすぐ前に隣家の壁があると光はほとんど入ってきませんが、トップライトの前は必ず空間が開いているので、たっぷりと光を取り込むことができます。

光を取り込むなら南に向けて付けた方がより効率的に思えそうですが、トップライトの場合は、直射日光がダイレクトに入る南向きの屋根面より、北向の方がオススメです。
間接光になりますが、眩しさを感じることがなく、十分に明るく優しい光が差し込みます。

トップライトが解決してくれること
 

写真は Ms HAUS の子供部屋です。
少し分かりにくいですが、ロフトの上にトップライトを付けました。

このように天井をフラットに貼らず、勾配屋根の形状に合わせて高くした場合、夏場の暑い空気はどうしてもこの一番高い場所に籠もってしまいますが、トップライトを開けてやれば、簡単に暑い空気を外に追い出し、家全体を換気することができます。
出先から帰って来た時など、エアコンをかける前にトップライトを開けて換気してやると、より早く快適な温度にすることができます。

他人から覗かれにくいと言うのもメリットの一つ。
これから家を建てられる方は、トップライトを付けるという選択肢も検討してみてはいかがでしょうか?

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色々な機能を持った壁紙

壁の仕上げ材には珪藻土や漆喰を塗る左官、各種ペイント剤を塗る塗装、木板張りやタイル貼りなど様々なものがありますが、今日のテーマは世の中で最も良く使われているのではないかと思われるクロス=壁紙についてです。

クロスと言えば、様々な柄があって選ぶものによって部屋の雰囲気がガラリと変わるという印象があると思いますが、実は柄だけでなく、一言にクロスと言ってもその主素材もビニール、紙、織物、木質など色々あります。
織物クロスには柔らかさや立体感、そして高級感がありますし、薄くスライスした本物の木で仕上げた木質クロスは自然素材のあたたかみを感じることができます。

木質クロスの一種ですが、コルクをスライスして仕上げたコルク壁紙は画鋲を抜き差しても跡が目立たず、掲示板としても利用することができます。

色々な機能を持った壁紙
 

上の写真は Uc School  – クラーク記念国際高等学校 大阪梅田 – の学習スペースですが、正面左寄りの茶色い壁面をコルク壁紙で仕上げています。
木製の家具の間にあるRCの柱の全面をコルク壁紙で仕上げて、掲示板としての機能を持たせつつ、違和感のないデザインでまとめました。

その他にも機能的なものとして、ホワイトボードとして使えるクロスや、チュークで描いて黒板消しで消せる黒板クロス、凹凸や光の反射を抑えたプロジェクタースクリーンクロスなどもあります。

写真左側は Kt School  – 東京国際ビジネスカレッジ 神戸校 – の教室です。
正面の壁と左側のスライドするパネルをホワイトボードクロスで仕上げました。
クロスで仕上げることで、壁面いっぱいをホワイトボードにすることも可能です。

右側は Uc School Library  – クラーク記念国際高等学校 大阪梅田 図書室 – です。
入り口を入ってすぐの壁を黒板クロスで仕上げました。
図書委員がお勧めの本などを紹介するコーナーになっています。

色々な機能を持った壁紙
   

最後は再び、Uc School  – クラーク記念国際高等学校 大阪梅田 – の学習スペース。
左側にあるトイレの出入り口を隠すパーティション壁をプロジェクタースクリーンに適したクロスで仕上げました。

一言にクロスと言ってもその特徴は様々です。
部屋の雰囲気に合わせて材質から選んだり、子供たちが自由に絵を描ける黒板クロスを貼ったり、専用スクリーンを設置しなくても手軽に映像鑑賞ができる壁面を計画したりと、楽しんでみてはいかがでしょうか。

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リモート会議で気になる”背景”

コロナがまだまだ収束せず、テレワークを行なっている方も多いと思いますが、自宅でのリモート会議の時に気になるのが、背景として画面に映ってしまう部屋の様子。
会社で見せている顔とは別のプライベートが垣間見えたりもします。

昨年にリノベーションした Tu HAUS ではテレワークにも使える書斎を計画しましたが、2帖弱とコンパクトだったこともあり、部屋として独立させずに個室の一角にコーナーとして配置しました。

リモート会議で気になる"背景"
 

写真中央奥が書斎コーナーです。
リモート会議を行う時に手前の和室が綺麗に片付いているとは限りませんし、手前の部屋でお子さんが勉強しているかもしれません。
そんな様々なシチュエーションを想定して、パソコンの画面に映っても良い、むしろ積極的に見せる”背景”となる障子パーティションを計画しました。

リモート会議で気になる"背景"
  

パーティションが開口より少し小さく、両サイドに隙間があるのは和室に設置したエアコンが書斎にも効くようにするためです。
程良く和室を隠しつつ、快適に仕事ができるように計画しました。
パーティションは引き戸になっているので、開き具合を自由に調整できます。

今回は和室との仕切りだったので障子で作りましたが、木を張ったり華やかな壁紙を貼ったパネルなど、部屋の雰囲気に合わせてデザインすると楽しそうです。

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ポーチの袖壁は優れもの

ポーチは玄関の外側にある屋根のついたスペースですが、屋根に加えて壁にも囲まれた空間とすることでより機能的なスペースになります。
ポーチが無い場合、雨の日には玄関から出ながら傘を開く必要がありますが、屋根があれば、外に出てから傘を開くことができます。
さらに壁で囲まれていると、風が強い日でも雨が吹き込む可能性が減るので、ゆっくりと傘をさして出発することが可能となります。

このポーチを囲む壁ですが、実はもう一つ重要な役割を担ってくれる場合があります。

ポーチの袖壁は優れもの
 

写真は Fk studio – Studio LUP- のエントランスポーチですが、写真右側のサインの付いた袖壁を付けることで、エントランスのガラスに網入りではない一般的なものを使用することが可能となっています。

やや専門的な内容になりますが、Fk Studio は準防火地域に敷地があり、このガラス部分が敷地境界から3m以内の延焼のおそれのある範囲に入ってしまうため、本来であれば隣地の出火などから建物や中に居る人を守るために、ガラスは網入りタイプか、高価な網なし耐熱強化ガラスを設置する必要がありますが、防火仕様の袖壁でガラス面に火が到達しないように遮ってやることができれば、一般的なクリアガラスを採用することが可能となります。
雨も火も防げて、サインも印象的に付けられて、、とっても優れものです。

ポーチの袖壁は優れもの

写真は Sa HAUS の外観です。
左下に玄関ポーチがあり、さらに左に屋根まで続く袖壁がありますが、これのおかげで、同じく準防火地域の延焼のおそれのある範囲にあるにも関わらず、玄関の扉を一般的な木材でつくることができました。
Sa HAUS の外観を特徴付けるデザインの一部にもなっています。

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やっぱり吹き抜けは気持ち良い

上下階をつなぐ「吹き抜け」。
よく言われる冷暖房が効きにくい、匂いや音が広がりやすい、窓掃除がしにくい、そして建物のボリュームが大きくなった分だけ建築コストが掛かるといったデメリットは確かにあります。
それらがどうしても嫌だという方にはお勧めしませんが、個人的にはこれらのデメリットを覆すだけのメリットが吹き抜けにはあると思っています。
夏の暑い日、冬の陽が射さない時はどうしてもデメリットに転じやすいですが、それ以外の多くの時間は光を取り入れて明るく、のびやかな空間の中で毎日を暮らせることだけで、とても大きな魅力だと思います。

やっぱり吹き抜けは気持ち良い
 

写真は Ms HAUS のリビングです。
吹き抜けを介して1階と2階がつながり、全体がワンルームのような空間となっているとても開放的な家で、姿は見えなくても家族の気配が感じられます。

 

写真は Sa HAUS の吹き抜けです。
約2帖と小さな吹き抜けですが、しっかりと光を取り入れ、開放感も十分得られます。

 

写真は Ts HAUS のリビングです。
冬の寒い日、薪ストーブで温められた暖かい空気が吹き抜けを介して効率的に家全体に流れますので、薪ストーブがある家には断然、吹き抜けを設けることをおすすめします。

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窓際の陽だまりベンチシート

リビングで「座る場所」というと先ず最初に思い浮かぶのはソファだと思います。
サイズや形状、テクスチャ、デザイン、、自分の好みに合わせて選んだソファはリラックスできる特等席になりますよね。
そんなソファももちろん良いのですが、ソファの代わりあるいはプラスの要素としてベンチシートを造り付けるというのはいかがでしょうか?

造り付けのベンチシートの利点は友達が遊びに来た時など、たくさんの人が集まる際に座る場所をたっぷり確保できることや、置き型のソファと違い床や壁との隙間を無くせるため、掃除がしやすいことなどがあげられます。
他にも造り方によっては、下部を収納として利用できるといったメリットもあります。

窓際の陽だまりベンチシート
  

写真は Gk HAUS のリビングに設えた収納を兼ねたベンチシートです。
日差しが心地良い窓際に配置し、内側に向かって座る縁側のようなスペースとしました。
ベンチ下には日常的に使用するものをたっぷりと収納できます。

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魅力がいっぱい 中庭のある暮らし

「中庭」の持つ最大の効能はプライバシーを確保して窓やカーテンを開けっぱなしにできることではないでしょうか?
家が立ち並ぶ住宅街でカーテンを開けて窓の外の気配を感じながら日々の暮らしを送れるというのはそれだけで大きな魅力です。

せっかく大きな窓があってもそれが道路に面していると、カーテンなどを閉めずに生活するというのは難しいと思いますが、窓の先が中庭で外部から覗かれる心配がなければ、気兼ねなくカーテンを開けて、光や風を存分に取り込むことが可能となります。

魅力がいっぱい 中庭のある暮らし
 

写真はリビングダイニングから黒竹と大岩の和庭を眺められるHm HAUS です。
約5.5帖の東側の中庭からは午前中であれば、太陽の光が直接室内に差し込みます。
午後は直射日光は入らなくなっていきますが、外の塀に反射した間接光が室内を明るくしてくれます。
同時に、塀や庭が明るいことで視覚的な明るさも得ることができます。

 

隣家や近くのマンションなど、上の方から覗かれる心配がある場合は、窓のサイズを調整したり、雪見障子などで視線をコントロールするなどの工夫をすることで、家はより暮らしやすく気持ちの良い環境になっていきます。

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