ポーチの袖壁は優れもの

ポーチは玄関の外側にある屋根のついたスペースですが、屋根に加えて壁にも囲まれた空間とすることでより機能的なスペースになります。
ポーチが無い場合、雨の日には玄関から出ながら傘を開く必要がありますが、屋根があれば、外に出てから傘を開くことができます。
さらに壁で囲まれていると、風が強い日でも雨が吹き込む可能性が減るので、ゆっくりと傘をさして出発することが可能となります。

このポーチを囲む壁ですが、実はもう一つ重要な役割を担ってくれる場合があります。

ポーチの袖壁は優れもの
 

写真は Fk studio – Studio LUP- のエントランスポーチですが、写真右側のサインの付いた袖壁を付けることで、エントランスのガラスに網入りではない一般的なものを使用することが可能となっています。

やや専門的な内容になりますが、Fk Studio は準防火地域に敷地があり、このガラス部分が敷地境界から3m以内の延焼のおそれのある範囲に入ってしまうため、本来であれば隣地の出火などから建物や中に居る人を守るために、ガラスは網入りタイプか、高価な網なし耐熱強化ガラスを設置する必要がありますが、防火仕様の袖壁でガラス面に火が到達しないように遮ってやることができれば、一般的なクリアガラスを採用することが可能となります。
雨も火も防げて、サインも印象的に付けられて、、とっても優れものです。

ポーチの袖壁は優れもの

写真は Sa HAUS の外観です。
左下に玄関ポーチがあり、さらに左に屋根まで続く袖壁がありますが、これのおかげで、同じく準防火地域の延焼のおそれのある範囲にあるにも関わらず、玄関の扉を一般的な木材でつくることができました。
Sa HAUS の外観を特徴付けるデザインの一部にもなっています。

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