省略できる?建具枠

ここ数年、工事見積書のチェックをする際に「ん?」と引っかかるようになったのが、建具枠。
壁に空けた開口を縁取る枠の内、扉が付く部分のものを「建具枠」と言い、開き扉の丁番を取り付ける下地にしたり、引き戸の扉がぶつかる緩衝材として機能したりします。
ちなみに、窓や固定のガラス等が付く場合は「額縁」と言います。

下の写真の左手前の小鳥のステンドグラスが嵌っている部分は「額縁」、右手前の何も付かない開口部は「枠」、右奥の扉が付いている部分を「建具枠」と使い分けています。

 

ちょっと逸れましたが、何が「ん?」かと言うと、昔に比べて値段がどんどん高くなってきており、塗装代なども加えていくと建具扉本体よりも高くなってしまうなんてことも、、
枠をしっかりと付けるときは無垢の木を指定することが多いのですが、今問題になっているウッドショックより前からこの状態なので、木自体の価格アップに加えて、加工の手間代などもどんどん高くなってきているのだと思います。

価格の問題に加えて、枠が無い方がスッキリと見えることもあり、デザインによっては枠を付けなかったり、最小限のアルミなどの金属枠の納まりにすることが増えました。

ただ、壁をクロスではなく左官などで仕上げるときは振動による割れや欠けを防止して、美しい状態を長く保つためにどうしてもしっかりと枠を入れたくなります。
他にもデザインとして枠があった方がいい場所や、多くの人が通ったり荷物を持って通過する場所などは物をぶつけて傷が付きやすいので、やはりできるだけしっかりと枠を入れるようにしています。

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