住まいがマンションや平家でない限り、必ず1つは必要になる階段。
住まいの中のどこに配置するかで、動線の長さはもちろん、廊下の面積、場合によっては住宅全体の面積も変わってきます。
最上階がリビングでない場合は特殊なケースを除き、リビングの一角に配置するリビング階段かリビングとは別の空間に配置する独立階段のどちらかを選択することになります。
さらに、後者には玄関から直接アプローチできるタイプと、一旦リビングを通過してからアクセスするタイプがあります。
階段の配置はお施主さんによって好みや考え方が分かれるところでありますし、全体のゾーニング・基本計画に大きな影響を与える要素でもありますので、住宅を設計する際には最初の段階で、お施主さんの意向を確認します。
例えば、リビング階段は階段及び階段に至る経路もリビング空間に取り込めるため、廊下を小さくできたり、リビングを広く感じることができるというメリットがあります。
その反面、階段部分は吹き抜けになり、また、同一空間に取り込んだことで部屋の容積も大きくなるため、冷暖房が効きにくくなるというデメリットがあります。
他には、外から帰ってきて個室に向かう前に必ずリビングを通るようにしたいかどうかも配置を決める上でのポイントになります。
前置きが長くなりましたが、今回の本題は階段の位置が決まった後、その下をどうするかです。
もちろん、階段下の空間には何も計画せずに余白の空間としておくのも、ゆとりがあってとても良いですし、トイレや納戸として全て埋めてしまうことも選択肢の一つです。
様々な選択肢の中で、今回はリビング階段の下部に空間を魅力的にする機能を持たせたケースを2つご紹介します。
写真は、Ms HAUSで階段下がご主人の書斎になっています。
階段の横に壁面いっぱいの本棚があり、その一角の階段下の高さが最も取れる場所に書斎コーナーを計画しました。
リビングにいる家族と同じ空間で仕事や趣味の作業を行うことができます。
こちらの写真は、Gk HAUSのリビング階段ですが、階段下の半分をオーディオ機器や小物などを置くオープン棚とし、残りの半分(グレーの壁部分)を納戸としました。
納戸は廊下側に扉を設けて、リビング側はすっきりとさせ、グレーの壁が白い空間のアクセントになるようにデザインしています。
使い方や見せ方、収納の計画方法にも様々なバリエーションと可能性がありますので、これから家を計画される方は、階段下の空間にも目を向けてみてはいかがでしょうか?