月: 2020年11月

自由にカーブを描くLED照明

LEDが一般的な照明器具として使われるようになって、10年近く経ちます。
それまで蛍光灯のベースライトやリネストラランプ等を使い、納まりに苦心しながら計画していた間接照明もLEDの登場で、簡単かつ省スペースで計画できるようになりました。
さらに、コストもどんどん下がり、一般家庭でも採用できる価格帯になってきたと思います。

どんどん進化するLEDですが、特注のアクリルカバーを設けたりと建築で光源を隠す工夫さえしなくても、スッキリと設置できるカバーと一体となったスリムな器具も登場し、最近ではなんとカバーごと自由に曲げられる器具も登場。
照明デザイン、建築デザインの可能性がどんどん広がります。

自由にカーブを描くLED照明
 

先日のプロジェクト会議では様々なメーカーの曲げられる器具サンプルを比較しました。
資料だけでなく、製品を実際に確認するとそれぞれの特徴や違いがとても分かりやすいです。
シャープなものや、光束の多いもの、最大長さも多種多様ですので、今回の計画にはどれが一番適しているか、プロジェクトメンバーで確認しました。

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Tu HAUS 大容量の床下収納

マンションのリノベーションをお手伝いさせていただいているTu HAUSは現在、大工工事の真っ只中です。

今回の改修工事の主な目的は、書斎、客間、物置などの複数の機能が混在している個室を使いやすく機能的に整理すること。
10.6帖と十分な広さはあるのですが、仕事関係の備品により収納物が一般家庭より多く、生活スペースを圧迫してしまっていました。
そこで、各機能を分けてコーナー化し、同時に空間を圧迫しないように工夫しながら、収納スペースも増やすよう計画しました。

 

フローリング張り工事の真っ只中。
マンションの規定によりL-45の遮音フローリングを貼っていただいています。

写真右側の床面にある大きな木の箱が、この計画の影の主役とも言え、大幅な収納力アップに貢献してくれる床下収納です。
天井が2.65mと高いポテンシャルを活かし、納戸スペースとなる部分の床を2重にして、床下収納を計画しました。

この床下収納のメリットは2つあります。
1つは通路となる部分にも収納スペースを確保できるため収納力がとても高いという点。
もう1つは高いところに棚板を増やす方法に比べて、身長が低い人でも取り出しやすく、重いものも安心して収納できる点です。

Tu HAUS 大容量の床下収納
 

構造はがっしり、高さも十分でしっかりと物が入れられます。
現時点で空いている側面は最終的に塞がれますので、どこから出し入れするかと言うと、、

 


今回は側面からの取り出しではなく、上部から取り出せるようにしました。
奥に入れてしまったからもう取り出したくない!ということも無く、日常的に気軽に使える収納になったと思います。


—— Tu HAUS の竣工写真は<こちら>です。——

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計画の第一歩、敷地を読む

新たなプロジェクトのお話があり、敷地の確認に行ってきました。
事前に資料の他、Google-mapのストリートビューや航空写真などで情報収集をしてから伺うのですが、敷地条件は実際にその地に立って分かることが大半です。

計画の第一歩、敷地を読む
   

今回は斜面や高低差のある起伏に富んだ変形敷地。
現実的に建物を建てられる範囲や各場所から見える眺め、反対に外からの見え方やアプローチしやすいルートなど、資料だけでは分からない様々な要素と特徴を各ポイント毎に確認してきました。

実際に敷地を確認すると、各機能をレイアウトするゾーニングや景色を眺めるための窓の向きなどの構想が膨らみ、訪れる前にぼんやりと考えていたものに修正が加えられてだんだんと明確になってきます。

今後はこれらのイメージを元に図面に落としていくことで、より具体的な計画として整合性を取りながらまとめていく作業になります。
計画の根底となる最も大切な作業です。


実は寒さは覚悟していましたが、積雪は想定外。
脱線気味のちょこっと話は<こちら>から。

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玄関にある階段下の有効利用

前々回はリビングにある階段の下部空間の活用例を紹介しましたが、今回は階段が玄関にある場合の活用例をご紹介します。

玄関にある階段下の有効利用
 

Sa HAUSの階段下には、靴箱、ベンチ、コート掛けの玄関にあると便利な3要素を配置しました。
その際、これらの足元を浮かせて設置することで、狭小住宅にもかかわらず約2帖分の土間スペースを確保し、土いじりの道具等も通行の邪魔にならないように置けるようにしています。
また、床面をしっかりと見せることは、スペースを広く見せる効果にもつながります。

もう一つの小さな工夫として、階段の1段目の下にも収納スペースを設けました。
丸い穴に指をかけてパネルを開くと、スリッパなどを収納できるようになっています。

玄関にある階段下の有効利用
    

写真はSi HAUSの階段です。
Si HAUSには約7帖もの広い玄関土間がありますが、その一部に周り階段を配置しました。
階段下にはコートなどを掛けるハンガーパイプを取り付けた他、ベビーカーやキックボードなど外で使用するものを置けるスペースとしています。

階段下を玄関に取り込むことで、空間を有効に使いつつ、ゆとりのある玄関スペースを作ることが可能になります。
階段をリビングから独立させたい場合に玄関と組み合わせることを検討してみてはいかがでしょうか?
これからはそのスペースに手洗い器を設けることも選択肢になりそうですね。

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アナログさんにお邪魔しました

無垢のフローリングや、壁・天井の仕上げに使う無垢パネルなどを扱っているアナログさんに伺い、現在計画中の家具に使う突き板について相談させていただきました。

突き板は無垢の木材を薄くスライスしたもので、主に家具や建具に使います。一般的な製造の場合は、1本の木を何層にもスライスし、それをそのまま順番に並べるため、よく似た木目が繰り返されます。

突き板一般
 

上の写真の赤い三角部分のラインが繰り返されているのが分かるでしょうか?
目が揃っているとそこまで気にならないのですが、節などの癖があるとリピートが目障りになってしまうことがあります。

アナログさんの突き板は、このような繰り返しにならないように、手間を惜しまずに敢えてスライスしたものを並べ替えたり向きを変えたりして、自然に見えるように工夫して製造されているそうです。

analog
  

写真がアナログさんのオーク柾目の突板です。綺麗です。

ショールームには様々な樹種の突板が展示されていて木の香りが満ちていました。

アナログさんのオーク突板を使用した Tu HAUS の完成写真は<こちら>

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