カテゴリー: Uc School

床の仕上げを変える効果

フローリング、タイル、カーペット、モルタル、ビニルシート、、床に使う仕上げ材には様々な種類のものがあり、材の持つ機能性や使用する場所の性格、全体のデザインなどを考慮して選定します。

床の仕上げを変える効果
 

例えば、上の写真の Ts HAUS のリビングでは、主な床仕上げを肌触りの良い無垢のフローリングとし、薪ストーブの周りから玄関へと続く床を機能的なタイルで仕上げました。
薪ストーブの周りは薪を追加する際に火の粉が飛んだり、煤がこぼれたりといったことが起こるため、熱に強く清掃もしやすいタイルやレンガで仕上げるのが一般的ですが、Ts HAUSではその範囲を広げ、ストックの薪を置いておく階段下スペースもタイルで仕上げました。
玄関に向かってまっすぐにタイルのスペースを設けることで、デザイン的にもすっきっりとした印象となっています。

一方で、同じ材料で柄を変えることもあります。

 

写真は Uc School – クラーク記念国際高等学校 大阪梅田 – の学習スペースで、床は全面ビニルタイルですが、主に通路となるスペースをモルタル調、学習スペースを木調のビニルタイルとし、壁を設けずに2つのスペースを柔らかくゾーニングしました。

ある程度広いスペースの場合は、柄を変えることで空間にメリハリを持たせる効果もあります。

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色々な機能を持った壁紙

壁の仕上げ材には珪藻土や漆喰を塗る左官、各種ペイント剤を塗る塗装、木板張りやタイル貼りなど様々なものがありますが、今日のテーマは世の中で最も良く使われているのではないかと思われるクロス=壁紙についてです。

クロスと言えば、様々な柄があって選ぶものによって部屋の雰囲気がガラリと変わるという印象があると思いますが、実は柄だけでなく、一言にクロスと言ってもその主素材もビニール、紙、織物、木質など色々あります。
織物クロスには柔らかさや立体感、そして高級感がありますし、薄くスライスした本物の木で仕上げた木質クロスは自然素材のあたたかみを感じることができます。

木質クロスの一種ですが、コルクをスライスして仕上げたコルク壁紙は画鋲を抜き差しても跡が目立たず、掲示板としても利用することができます。

色々な機能を持った壁紙
 

上の写真は Uc School  – クラーク記念国際高等学校 大阪梅田 – の学習スペースですが、正面左寄りの茶色い壁面をコルク壁紙で仕上げています。
木製の家具の間にあるRCの柱の全面をコルク壁紙で仕上げて、掲示板としての機能を持たせつつ、違和感のないデザインでまとめました。

その他にも機能的なものとして、ホワイトボードとして使えるクロスや、チュークで描いて黒板消しで消せる黒板クロス、凹凸や光の反射を抑えたプロジェクタースクリーンクロスなどもあります。

写真左側は Kt School  – 東京国際ビジネスカレッジ 神戸校 – の教室です。
正面の壁と左側のスライドするパネルをホワイトボードクロスで仕上げました。
クロスで仕上げることで、壁面いっぱいをホワイトボードにすることも可能です。

右側は Uc School Library  – クラーク記念国際高等学校 大阪梅田 図書室 – です。
入り口を入ってすぐの壁を黒板クロスで仕上げました。
図書委員がお勧めの本などを紹介するコーナーになっています。

色々な機能を持った壁紙
   

最後は再び、Uc School  – クラーク記念国際高等学校 大阪梅田 – の学習スペース。
左側にあるトイレの出入り口を隠すパーティション壁をプロジェクタースクリーンに適したクロスで仕上げました。

一言にクロスと言ってもその特徴は様々です。
部屋の雰囲気に合わせて材質から選んだり、子供たちが自由に絵を描ける黒板クロスを貼ったり、専用スクリーンを設置しなくても手軽に映像鑑賞ができる壁面を計画したりと、楽しんでみてはいかがでしょうか。

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スペースを家具で仕切る

前回と前々回の記事では、スペースをガラスで仕切ることの効果について書きましたが、今回は家具で仕切るケースをご紹介したいと思います。
壁で仕切らずに家具で仕切ることの一番のメリットは壁の厚み十数センチ分のスペースを有効に使えるということ。

Tc School -クラーク 記念国際高等学校大阪天王寺- の多目的ルームではパイプ椅子や部活動で使う楽器などを収納する倉庫を設けるにあたり、メインのスペースとの間仕切りを目隠しと収納を兼ねた家具で行い、限られたスペースを有効に活用するよう計画しました。

スペースを家具で仕切る
 

倉庫の中の収納物が全く見えないように、高さ1850mmまでは背面パネルを付けていますが、最小限の広さの倉庫のため、内部の閉鎖感の緩和や防災、換気の観点から上部はオープンとしています。
用途上、音漏れ対策は必要ありませんので、こうすることで多目的ルーム側の視覚的な広がり効果も得ることができます。

間仕切り家具にはPBLなどのグループ学習を行う際に使用するスツールを多目的ルーム側から収納できるようにし、必要な時に学生が手軽に取り出せるようにしています。
また、上部には学生の作品を展示する場所を設け、発表会や学校説明会の際に紹介できるようにしました。

スペースを家具で仕切る
 

Uc School -クラーク 記念国際高等学校大阪梅田- では、学習スペースと動線部分を仕切るために家具を利用しました。
完全に分ける必要はなく、適度に視線をカットし、適度に視線が抜けるようにするために、家具は背面パネルを所々抜いたデザインとし、2つのスペースをゆるやかに分けています。

通路側にはゴミ箱を収納し、傘立てや自動販売機も家具により死角となる場所に置くことで、学習スペースがスッキリとした印象になります。
また、学習スペース側には本やパンフレット等が置けるようになっており、眺めると気分転換になり、空間を彩る効果の高い水槽はどちら側からもよく見えるように計画しました。

このように、家具で仕切ることにより、スペースをしっかりと仕切るのか、緩やかに仕切るのかといった仕切り方の程度も自由に調整することができ、スペースのゾーニングにバリエーションを持たせることも可能となります。


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スペースをガラスで仕切る

スペースをガラスで仕切ることの主な目的は2つあります。
1つは直接外部からの光を取り込めないスペースに間接的に光を取り込むことで、もう1つは仕切られた向こう側が見えるようにすることです。

後者の「向こう側が見える」にも様々なパターンがあります。
代表的なのは向こう側の「活動」や「様子」が見えるというパターンで、音や場合によっては匂いなどを遮りたいけれども、中の様子が見えるようにしたい場合にガラスを間仕切りに使います。

スペースをガラスで仕切る-1
 

写真は Uc School -クラーク記念国際高等学校大阪梅田- のフリー学習スペースですが、正面の濃紺の壁の向こう側が職員室になっていて、中央に設けた窓を介して職員室から学習スペースにいる生徒の様子が窺える様になっています。
同時に、学習スペースからも職員室の様子が垣間見え、用事がある際に職員室に入りやすく、先生との距離を縮める効果があります。

スペースをガラスで仕切る-2
 

向こう側の「空間」が見えるというパターンもあります。
壁にすると閉鎖感や圧迫感が生じてしまうような場合に、ガラスで仕切ることで視覚的な広がりが得られます。

写真は Yh Hotel -星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル- の半露天付き客室です。
限られた間口の中で、客室の寛ぎスペースと半露天風呂それぞれの開放感と迫力のある眺めを確保するために、2つのスペースの間仕切りにガラスを使用しました。
向こう側の「空間」が見えることで、どちらのスペースも実際より広く感じることができ、向こう側の「空間」を介してワイドな景色を楽しむことができる様になっています。 

もちろん、浴室使用時には開放的すぎると落ち着かないというお客様も安心して泊まれるように、浴室側はロールスクリーンを下ろして視線をカットすることができるように計画しています。

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