トイレ時間を有意義にする本棚(?)

トイレ時間を有意義にする本棚(?)
 

写真は Ms HAUS のトイレ。
自然素材をふんだんに使ったナチュラルな雰囲気のMs HAUSはトイレも然りです。

レイアウトは便器の正面に手洗い器のあるごく一般的なトイレで、手洗い器の下には配管カバーを兼ねた収納があり、掃除道具や洗剤などが収納できるようになっています。
もちろん、上部の扉付きの収納にはトイレの必需品トイレットペーパーのストックが収納できるようになっています。
では、その下の棚板は何かと言うと、、タイトルにもある通り「本棚」なんです。

設計の打ち合わせの際に「トイレで本を読むんです」というのをお聞きし、それならばと計画しました。
このように、お施主さまの暮らし方に合わせて1つずつ丁寧に作っていけるのが注文住宅の醍醐味だと思います。

ちなみに、この棚の主用途は「本棚」ですが、もちろん時計を置いたりする飾り棚としても利用可能です。

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天井でゆるやかにゾーニング

1つの大きな空間の中でスペースをゆるく分けたいときには、家具やパーティションなどで区切ることが多いですが、もっとゆるやかに分けたり、スペースの性格の違いを特徴づけたいときなどには、床や天井の仕上げやレベルを替える方法も効果的です。

下の写真は Ka Hotel  – 界川治 – のロビーです。

天井でゆるやかにゾーニング
 
天井でゆるやかにゾーニング
 

ロビースペースと、体験スペースの天井それぞれに屋根の小屋組をイメージしたルーバー天井をデザインしました。
それぞれの空間が1つのスペースとしてまとまった落ち着きのある場所になり、動線となる通路部分との性格の違いも強調することができます。
視線を遮ったり、出入口を限定する必要がない場合に、天井を切り替えることはとても有効です。

天井でゆるやかにゾーニング
 

上の写真は Tc School  – クラーク記念国際高等学校 大阪天王寺 –のパソコンルームですが、e-スポーツ専用のマシンがある部分の天井を1段低くし、弧を描く形状にすることでスペースを特徴づけています。


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カーテン?ブラインド?それとも、、

窓に取り付ける視線や日射カットのためのアイテムには、カーテンをはじめ、ブラインド、ロールスクリーン、ハニカムシェード、すだれ、、、など様々なタイプのものがあります。
機能性はそれぞれに一長一短で、どれを選ぶかを決めるのは本当に難しいです。

例えば、最も主流のカーテンは大きなサイズの窓でも、確実に遮光してくれるものが選べますし、レースのカーテンを掛けておけば、日中の日差しと視線を程良くカットし、ひらひらと靡いて隙間や生地自体からちゃんと風も通してくれる優れものです。

カーテン?ブラインド?それとも、、
 

とても優秀なのですが、その一方で、開けている時も常にぶら下がっているのがなんとなく邪魔、すっきりと見せたい、特に不要な時は隠したいという思いで、カーテン以外を検討される方も多いように思います。

カーテンの代わりとして代表的なのはブラインド。
直線の形状がすっきりとした印象で、不要な時は上部に収納しておけるのも嬉しいです。
日射や視線は角度を調整することで遮ることも可能ですが、風が強い時にブラインド自体が揺れて窓枠にカタカタとぶつかるのが少し難点です。
メーカーによると、そもそもブラインドや後述のロールスクリーンは窓を閉めて利用することを推奨しているとのこと。
そうは言っても、中間期には風も通したいですよね。。

また、しっかりと閉めても隙間から光が漏れやすいという特徴もあります。

カーテン?ブラインド?それとも、、
 

ロールスクリーンもブラインド同様にすっきりとした印象になり、収納も可能です。
さらに、色や柄などの種類が豊富で、部屋の雰囲気に合わせて選定できるという特徴もあります。
1台でカバーできるサイズの窓であれば遮光性も得られますが、ブラインド以上に風を通しにくいので、こちらは固定窓などの換気を行わない窓や、就寝時の閉めている時にだけ利用するような寝室の窓におすすめです。

用途や雰囲気に合わせてどのアイテムが最適か、部屋ごとに選ぶのが良いかなと思います。

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畳屋さんに教えてもらったいろいろ豆知識

フローリングとはまた違い、柔らかくて冬場にヒヤッとした冷たさを感じることのない畳。
直接座ったり、寝転んだりしても体が痛くならないのも魅力です。
家全体に採用することはほとんどありませんが、客間やリビングの一部に設ける畳コーナーとして計画することがよくあります。

最近では和紙製等の耐久性やメンテナンス性が考慮された畳表を使用した畳を採用することが多くなってきましたが、昔ながらのイグサでできた畳には自然素材ならではの香りと、何とも言えない肌触りの良さがあります。

先日、畳屋さんにお邪魔して、畳について色々と教えて頂く機会がありました。

畳屋さんに教えてもらったいろいろ豆知識
 

畳を構成する表面材の「畳表」はイグサと麻、綿を組み合わせた縦糸とを編んでつくります。
右の写真の濃淡2色のピンク色の紐が麻と綿の縦糸です。
縦糸は畳が完成すると見えなくなってしまうのですが、この縦糸で畳表の厚みを調整するそうです。
ちなみに、畳表はふっくらと厚い方が高級になるそう。

イグサは根の方が白いため、生育が悪いと小さな畳しか作れなかったり、端の方が白い畳になってしまうそうです。
左の写真を見ていただくと、白い根の方と緑の葉先の方を重ねて織っているので、色の違いがよく分かります。
お邪魔した畳屋さんでは白い部分は畳に加工する際に切り落とすそうです。

畳屋さんに教えてもらったいろいろ豆知識
 

洋風の空間にもよく合う「縁」の無い畳が人気ですが、この縁無し畳を作るときは、上の写真のような「目積」と言われるイグサの目が細かい畳表を使うそうです。

下の写真のように縁を付ける場合は、イグサの目に沿った方だけを巻き込むので問題無いのですが、縁無し畳はイグサの目に対して垂直方向にも曲げる必要があるため、この部分のイグサが割れやすく縁ありの畳と比べると耐久性が劣ります。

畳屋さんに教えてもらったいろいろ豆知識
 

その点を少し改善できるのが目の細かい目積畳表なんだそうです。
目が細かい方がよりモダンな印象にもなります。

畳屋さんの倉庫には、斜めや市松模様になっているちょっと変わった畳表や、様々な柄の「縁」が置いてありました。

畳屋さんに教えてもらったいろいろ豆知識
 

魚の名前が漢字で書かれたお寿司屋さんのためにあるようなものや、ネコの足跡がデザインされたものなど、見たことのデザインのものが色々あって驚きました!
いつかどこかで使えると楽しそうです。

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床の仕上げを変える効果

フローリング、タイル、カーペット、モルタル、ビニルシート、、床に使う仕上げ材には様々な種類のものがあり、材の持つ機能性や使用する場所の性格、全体のデザインなどを考慮して選定します。

床の仕上げを変える効果
 

例えば、上の写真の Ts HAUS のリビングでは、主な床仕上げを肌触りの良い無垢のフローリングとし、薪ストーブの周りから玄関へと続く床を機能的なタイルで仕上げました。
薪ストーブの周りは薪を追加する際に火の粉が飛んだり、煤がこぼれたりといったことが起こるため、熱に強く清掃もしやすいタイルやレンガで仕上げるのが一般的ですが、Ts HAUSではその範囲を広げ、ストックの薪を置いておく階段下スペースもタイルで仕上げました。
玄関に向かってまっすぐにタイルのスペースを設けることで、デザイン的にもすっきっりとした印象となっています。

一方で、同じ材料で柄を変えることもあります。

 

写真は Uc School – クラーク記念国際高等学校 大阪梅田 – の学習スペースで、床は全面ビニルタイルですが、主に通路となるスペースをモルタル調、学習スペースを木調のビニルタイルとし、壁を設けずに2つのスペースを柔らかくゾーニングしました。

ある程度広いスペースの場合は、柄を変えることで空間にメリハリを持たせる効果もあります。

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コンセントとスイッチの組み合わせ

コンセントを照明器具のように壁のスイッチでon/offできるってご存知でしょうか?

コンセントとスイッチの組み合わせ
 

例えば、コンセントにプラグを差して使うフロアスタンドは、一般的には器具についているスイッチでon/offの操作を行いますが、この差し込み先のコンセントの回路にスイッチを接続することで、コンセント自体をスイッチでのon/offで操作することが可能になります。
夜に帰宅した時に、部屋の入り口で他の照明と一緒にフロアスタンドも点けることが可能になるので、わざわざフロアスタンドの前まで行く必要がなくなり、ちょっと便利。
フロアスタンドを日常的に使いやすくなると思います。
ちなみにこの時、照明に付属のスイッチはonの状態のまま使用します。

また、照明だけでなくサーキュレーターなども、この仕組みを利用することで、高い場所などの日常的には操作しにくいところに置いてもストレスなく利用することが可能になります。

今の暮らしを思い返し、建築後の暮らしを想像して、どこにスイッチ連動コンセントがあるとより快適に暮らせそうか、設計の段階からしっかり検討する必要がありますが、新たな暮らしに取り入れてみてはいかがでしょうか?

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エアコンカバーはさり気なく

今や生活空間の必需品となったエアコン。
これをどうやって空間デザインの中に組み込むか、というのは常にある課題なのですが、当事務所にはエアコンカバーの標準デザインがあります。

それがこちらです。

エアコンカバーはさり気なく
 

中央の機械部分をしっかり隠し、上部の給気部分と下部の吹き出し口前だけを開けた至ってシンプルなデザインです。
こちらは初期にしつらえたもので、少し中央のパネルの位置が高すぎましたが、徐々に寸法を微調整して現在の仕様に至っています。

格子状のデザインにすることもありますが、こちらの方がしっかりとエアコンを隠せて洋風の部屋にもマッチし、掃除も楽なので採用することが多いです。

エアコンカバーはさり気なく
 

家具と一体でしつらえる時は、材料やサイズを合わせることも大事なポイント。よりさり気なくエアコンのスペースを確保できます。

Sa HAUSでは壁面収納の一部に組み込み、吊り収納と高さを合わせてデザインしました。

エアコンカバーはさり気なく
  

壁に埋め込む時は、壁の色に合わせて作ります。

Fk Studio -Studio LUP-では、冷蔵庫等の設置場所になるアルコブの上に設けました。

一般的にエアコンは壁からポコっと出っ張って付くことが多いですが、せっかくカバーするのであれば、周囲に溶け込むように計画することもデザインの重要なポイントだと思っています。

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